風水について

設計事務所ですので風水の専門家では有りませんが、以前から興味があり少しずつ調べてきましたので、それを簡単に分かりやすくまとめました。

●風水の始まり
風水がいつの時代から存在していたのかという事は、文献によりさまざまです。おおよそ、今から3500年前〜4600年前の中国で、天の星の力と大地の生気を借りることによって生活できれば、自分たちもその霊妙なる力を受ける事ができるのではないかと、宮殿、家、そしてお墓の吉凶を占ったり、時の権力者が天や大地の気の流れをみる事で、治世をする為の思想や技術として発生したようです。
              
             風水学を集成した風水家朱窯

●家相と風水
風水にはいくつかの流派がありますが、大きく分けると、2つあります。
一つは「陽宅風水」というもので、住宅や都市計画に使われているものです。
二つ目は「陰宅風水」とよばれ、お墓やその環境に対して行われます。一般に日本では、「陽宅風水」が家相として受け継がれてきたようです。ただし、家相の基となった風水は、中国で発生したものですから地勢を見る事をその基本にした風水は当然日本に合うように 変えなければなりませんでした。
日本に合うように変更された風水思想はその当時陰陽寮といわれた施設によって守られていましたが、朝鮮出兵の失敗により、秀吉によって取り潰されてしまいます。
しか、徳川時代の享保の頃に復活します。それが現在我々が考える風水というものです。
ただ江戸時代に復活したときには、資料がなかったものですから、再度中国のものをそのまま取り入れたようなので、日本の気候風土に多少合っていないところがあるように思います。
     

●風水の考え方
  
家相書に画かれた中国の地勢図、左上の山脈が崑崙山脈

風水では家相と違って、固定した方位の善し悪しはありません。方位を決めるのはその家の門や、玄関の位置によってです。また同じ方位でもそこに住んでいる人によって吉凶が変わります。基本的には住んでいる人の生年月日で占います。ですから、同じように見えても細部では家相の見方とは異なっています。大きな違いは前述したように、住む人の誕生日や玄関の向きが吉凶に影響を与えるか否かという事です。
風水では天と人は基本的に同じという考え方で、その二つには相関関係があるとするものです。そして「気」を大切にするという事です。「気」は、「気合いを入れる」とか「元気」という言葉の中の「気」のことです。この「気」は簡単に言えば一種のエネルギーだと考えればいいかもしれません。
中国大陸の「気」の源は、崑崙山脈にあるといわれ、その「気」の流れが朝鮮半島を経由して、遠く日本の富士山にまで流れているとされています。その「気」の流れを、どのようにうまく家の中に呼び込むか という事が風水の考え方です。

●陰宅と陽宅
「気」を呼び込むための対象物として、墓地を対象にしたものが陰宅風水であり、住宅や都市を対象にしたものが陽宅風水です。
中国では今でも陰宅が主流です、それは先祖と子孫の関係は、木の幹と枝葉のようなもので、幹や根である祖先を敬えば、子孫も自然と良くなるという考えにもとずくからです。日本では陽宅風水が主流で、陰宅風水と異なり、地勢をより広範囲に検討するところがあります。陽宅風水の善し悪しを判断するには、地勢・景観・水流・道路の方向・形状・位置・付近の建物の性質と方位・樹木の種類を考慮して行います。
                  
                       陽宅風水の図

※簡単な吉凶の判断のガイドラインとなる図を載せましたので参考になさってください。

吉(GOOD)


凶(BAD)


まとめ
こうしてみてきますと、当然の事もありますし、敷地の状況などによりやむを得ず建てなければならない場合もあると思います。勿論、こうした場合でもその悪い状況を良くする方法もあります。ここに載せたものはほんの一部ですから、詳しくは専門の方にみていただいた方がいいかもしれません。
しかし、本格的にすべてにおいて風水や家相の良い家を建てようと思えば、北極点に建てなければならないという人もいるくらいですから、程々に気になさるほうがいいかと思います。
私たちの事務所でもご希望があれば、計画の段階で風水や家相についての検討をしております。お気軽にご相談ください。

参考資料:現代家相学、現代の家相、華僑の風水学、地理風水、風水プラクティカルガイド、風水とデザイン、七福招来の建築術、風水運命術