住まいの資金計画

住宅の建設には、たくさんの費用がかかります。一生に1度か2度しかない、大きな買い物です。慎重な上にも慎重な検討が必要です。しかし、あまりに細かな事まで指定したりしますと、かえって高価になってしまいます。それはオーダーメイドの洋服を注文するのに似ています。

いったいいくらかかるの?
住まい造りにかかる総費用は、大きく分けて建築工事費(本体・設備・別途工事など)、外構工事費工事費用以外の諸費用の3つがあります。

建築工事費
建物本体の工事費用です。
この中には大工さんの賃金や木材費、サッシやガラスなどの費用があります。設備工事費は水道の配管やガスの配管、トイレの設備などがあります。別途工事は一般的に使用されるキッチンより良いものを使った場合などの差額や、エアコンなどの費用、照明器具の費用などがあります。しかし、工務店によって多少項目の内訳の仕方が変わりますので、御自身でチェックされるときは、基本的にそのままで住めるようになっているか?(カーテンや什器、家具などは含みません。)を見てください。また時間がないときや自信がないときは、信頼できる設計事務所などにチェックを依頼してください。多少の費用がかかってもそれで不足がなく快適に住めるようになれば、トータルで考えれば損はしないはずです。
当社で一番多い価格帯は坪50万円〜60万円くらいです。

外構工事費
門や塀、植木、カーポートなどの、外部に設置する物の工事費です。
また、敷地までのガス配管や水道配管、下水道の配管工事が含まれる事もあります。(通常は建築工事の設備工事費に含まれます。)
これは敷地状況によってかなり変化しますが、工事費以外の費用も含めて建築工事費の2割ぐらいをお考えください。

工事費用以外の諸費用
敷地の地盤が悪いときなどは、地盤調査費がかかりますし、場合によっては杭などで強化する事もあります。一般的には、地鎮祭、上棟式、近所への挨拶の費用があります。そして税金、インテリア費用、取り壊しがあるときはその費用、保険や登記費用もあります。

設計料
設計を専門家に依頼する場合は、大都市近郊や地方によって変化しますが、設計・申請代行・工事監理を依頼した場合、総費用の8から12%になります。これは内容の差ではなく事務所の固定費用の差だと考えてください。当社では6〜8%でお受けしています。現在はインターネットや高速道路が普及していますので、茨城県内であれば同額です。
また、それ以外であっても工事監理の方法によって、同様の費用で可能ですので、ご相談ください。
計画全体の総予算:建築工事費+外構工事費+工事以外の諸費用+設計料となります。
たとえば、40坪の住まいを坪50万円で計画するとしますと、建築工事費が2000万円、外構工事費+工事費以外の諸費用で2000万円の2割で400万円、設計料と監理料が2000万円の6%で120万円。合計2000万円+400万円+120万円=2520万円という事になります。
勿論これは例ですので、状況によって変化します。詳しい資料をご希望の方は当社までご連絡ください。

自己資金
どなたでも最初に考えるのがこの自己資金です。目安としては、総費用の20%を目安にしてください。これよりも多いときは良いのですが、少ないと月々の返済が大変になります。しかしこの金額がなければ駄目かというと、そんなこともありません。方法はありますので、あきらめず計画を進めてください。
また、ローンを組む際は病気などで収入がなくなってしまう場合を考え、所得保証保険などの検討も必要です。

公的融資と民間融資
現在は公的融資の金利が安いので、長期の融資は公的融資が有利ですが、民間融資はいろいろ特典や、融通が利きますので検討の余地はあります。
特に良くある事ですが、図面で決定した後で変更をする可能性のある方は、民間の方が良いようです。公的資金は図面提出後の変更は原則的にできませんから、十分な検討が必要です。

返済計画
まず計画した住まいがいくらぐらいでできるかを見積します。そして、自己資金がいくらあるのか、それから、シュミレーションをします。(当社では平面図とともに見積書ができますし、この後説明します返済計画書も、すぐにお出しできます。)
月々の返済額が出ましたら、それを検討します。できれば65歳くらいまでに返済が終了するようにしたいものです。また、最初のうちは返済額が少ない、ゆとり返済というものもありますが、その後の事を考えるとできるだけ使用しない方が良いようです。
ローンの融資限度額は、年収や担保によって変化します。住宅金融公庫では年収の20%が融資限度額です。しかし民間の融資限度額は年収の40%くらいですから、組み合わせたりして上手な無理のない計画が大切です。またどちらの融資も、必要金額の80%までしか融資しませんので、自己資金の必要もあります。
将来のお子様の学費や結婚資金など、必要となる資金は多くありますので、できれば年収の25%くらいに返済額を押さえる方が、結果としては無理がないように感じます。

工務店さんや大工さんに注文する前に!!
どなたでも、注文する前には見積書を取られていると思います。
ハウスメーカーさんに注文する際には、1社だけではなく、数社の見積を取っておられるでしょうが、まだ地元の大工さんや、工務店さんに注文される際には1社だけの見積で施工されていらっしゃる方が多いようです。
多くの大工さんや、工務店さんは、現在でもまだ、昔のようにお任せで、工事ごとに一式いくらというような、おおざっぱな見積で工事をされているところが多いように感じます。
見積書は工事の内容の約束事ですから、必ず工事契約の前にはもらうようにしてください。そして内容を確認し、抜けているものが無いか、仕様は希望通りか確かめてください。これは一般のかたには、困難ですが、設計事務所に依頼をされたならチェックしてくれます。
そして、そのように見積書をとる際には、詳しい設計図面が無ければ見積は出来ませんから、信頼できる設計事務所さんなどに、図面をお願いする必要はあります。
資金が十分にあり全てお任せであれば、言うことはないのですが、そうでなければ、必ず2.3社の見積を取ることをお勧めします。
出てきた見積の中から、通常は一番安いところにお願いすることになります。
勿論知り合いの方にご注文される事が多いのですから、信用はされているとしても、適正な価格で工事を進めようと思ったら、お勧めします。
その際に初めてのことですから、なかなかそのように数社の見積を取ることは、困難かもしれません。そんな時には、迷わず設計事務所にご相談ください。当社では少なくても3社の見積を取るようにしていますし、他の設計事務所さんでもそのようにしているはずです。
金額の大きな買い物ですから、たとえ1割違っていたとしたら、それだけで設計料を払っても、お釣が来てしまいます。
勿論はじめて見積をされる、一般のかたでも出来ないことはありませんが、やはり実績のある設計事務所でしたら、それなりのノウハウがありますから、専門家にお任せになることをお勧めします。
実際にそのようにされてみれば、金額の違いに驚かれることでしょう。
工務店さんに見積をお願いしたとしても、一般的には、お金を取られることはありませんのでご安心ください。